『 人にもいい 地球にもいい 暮らしを一緒に作りたい 』
1、「国内産木材を使った家造り」
ますいいリビングカンパニーでは、栃木県や茨城県産の木で家の構造体を造ります
いつのころからかこの国の家造りは、外国産の木をただ単に安いからという理由だけで使うようになってしまっていましたが、近年の気候変動等の環境問題はこうした経済至上主義のもとに生まれた問題です。わざわざ遠くの国から燃料を使って船で輸送して来なくとも、日本には多くの山がありそこにはたくさんの木が生えています。木を伐り、植え、育てるという山の循環システムをしっかりと造り上げることで、豊かな自然を育むことができるのです。山を手入れすることができれば、それだけ自然災害も防ぐことができるし、その山に登ったりのレクリエーションの場としてもより魅力的な空間となります。
ただ安いというだけの理由で外材ばかりを使うという行為は、一瞬クライアントのためになるかもしれないけれど、こうした日本の豊かな自然をも放棄することにつながってしまいます。それに木というのは育った気候風土の中で使用すると長持ちするのです。こうした家造りを行うことは、結果的にクライアントの利益となり、大きな目で考えればこの国で育つ子供たち全体の利益になると考えています。
( 増井真也日記より )
2、「サステナブルな社会をつくる」
サステナブルとは
最近よく聞く言葉に「サステナブル社会」という言葉があります。「サステナブル(Sustainable)」=「持続可能」という意味の言葉で、サステナブル社会とは「持続可能な社会」を意味しています。そして、「地球の環境を壊さず、資源も使いすぎず、未来の世代も美しい地球で平和に豊かに、ずっと生活をし続けていける社会」という内容のものです。
世界中の国や企業が取り組んでいるこの目標を総じて「SDGs(Sustainable Development Goals)」=「持続可能な開発目標」と言います。環境、貧困、ジェンダーや健康問題など、現代社会に対する様々な問題を17の項目に分け、その改善を目標にしているのです。
毎週のように栃木県の那珂川に来ていると、自然の中で過ごす心地よさが病みつきになる。那珂川の太平洋側には八溝山地という低い山々が連なっていて、そこでは良質な杉材が育てられている。最も高い山は標高1022mの八溝山、この八溝山系で伐採された材木は「八溝材」といい、国産材の八溝杉はその一つである。素性がよく狂いにくく、木目が美しい、赤身の色が美しい、曲げに強いといった点から、関東きっての良材として、木材業界では高い評価を受けている。ますいいでもこの山系のスギ材を柱として使用しているし、今後の家づくりでは梁材もこの八溝杉を使用していく予定である。
山の豊かさが川を通じて、海に恩恵をもたらすことは広く知られている。山の樹木から落ちた葉や、森の土壌に含まれる多くのミネラルをはじめとする様々な物質が雨水や地下水に溶け込み、河川を通じて海洋に運ばれ、植物性プランクトンを大発生させて、それが貝類や動物性プランクトンの餌となり、やがて小型魚、大型魚と食物連鎖が進んでゆくのだ。「海を豊かにしているのは山の森」なのである。その山を整備するにはやはり人手が必要だ。山を整備すてくれる人々、つまり林業に関わる人が暮らしていくためには、その山でとれる木を売らなければいけない。地域の山を育てる人、地域の山の木で家をつくる人、地域の山の木で作った家に暮らす人、こういう関係性が成立する事こそが僕たちの暮らす自然を守ることにつながるのである。
( 増井真也日記より )
3、「木を選ぶときに、森の未来を考えてみませんか?」
「恵まれた日本の森林資源」
日本は国土面積の67パーセントが森林に覆われた、森林資源に大変恵まれた国です。
国土面積に占める森林面積の保有率は、フィンランド73.1パーセントに次いで世界2位の森林保有率となっています。ちなみに、世界平均は31パーセント。
いかに、日本が多いかがわかります。
「日本で使用される木材は輸入材が多い」
日本は、森林保有率が世界2位なのに、日本の木材を使用せずに、輸入材を多く使用しています。
戦後、日本は復興のために、植林政策を行いました。しかし、木が成長して材木として使用出来るまで40年以上かかるため、早くて安く手に入る輸入材を使用し始めることになったと言われています。さらに、植林政策の杉や檜などが成長して使用出来る近年においても、、輸入材に頼り続けています。
その結果、国産木材が多くあるにもかかわらず、輸入材の使用率が8割となってしまっているのです。
「日本の木材を使うことが、日本の森林や環境の未来を良くすることに」
日本の森林の木を使って家を作ることは、日本の森林や環境を守ることにつながります。
森林は、人が適切に手入れをすることで、豊かな森林へと育つことが出来ます。しかし、日本では、輸入木材を使用することが多いため、国産材の需要が減っています。そのため、日本には、豊富な森林があるにも関わらず、森林の手入れが賄えずに荒廃してしまっている所が少なくありません。
木を伐って木材として使い、森林に新たな木を植えて育てることで、日本の森林に理想的な循環が生まれます。
私たちの木材の選択が、この循環を守ることに繋がります。
◀︎荒廃した森林。根が剥き出しになり、下草が生えていない。
▶︎豊かな森林。地面の表層には緑が生茂り、木の根も土の中に隠れている。
4、木材は二酸化炭素を蓄える
循環型森林を形成するうえで、木を伐って使うことは大切なことです。
木はその成長過程において、二酸化炭素を吸収し酸素を放出する光合成を行います。そして十分に育った木々は、ある一定以上の炭素(二酸化炭素などから生まれる)を吸収すると、それらをさらに吸収するために必要な機能が低下してしまいます。
そういった木々を早い段階で伐採し、新たな木々を植える。そして伐った木々を木材として住宅などに利用するのです。
炭素を蓄えた木材は、燃焼するまではそれを外部に放出しない点で、環境に良い材料として高い評価が得られているのです。
〈 森林の循環 〉
5、日本の森の話
川下りをしているとカワセミを見かけることがある。カワセミは翡翠と書いたり、川蝉と書いたりする小さな鳥で、羽の色が鮮やかな青色をしているのが特徴だ。水の中にいる小魚を捉えて食べるので、水面に近い小枝などに留まっていることが多く、水面側から崖を眺めていると運が良ければ見つけることが出来る。川が濁っていると魚を食べることが出来ないので生息できなくなってしまうから、自然環境のバロメーター的な存在として扱われてきたそうだ。実際に翡翠を見た時の印象は、映画の中で見るティンカーベルのようなイメージである。飛び立つと直線的な動きをして獲物を捕らえ、そしてまたどこかへ留まるのだけれど、その小ささと色の鮮やかさが、実際には見たことはないけれどそんなものを思い出させるのだろう。
日本にはたくさんの山や川がある。そして周りを海で囲まれている。なんだか最近はクマに襲われた事故のニュースばかりが目に付くのだけれど、自然は僕たちにそれ以上の様々な恵みを与えてくれていることを忘れてはいけないと思う。都会で生活をしているとどうしても忘れてしまうことがある。でも都会での平穏な暮らしがこの先もずっと続いてくれるというような楽観的な思考は、昨今の異常気象などの状態を見るとなかなか持ちえないのではないだろうか。台風による風被害や洪水、動物たちによる被害、地震、世界中で燃え続ける山火事、・・・一体僕たちの住む地球はどうなってしまうのかと考えない日はない。
翡翠を見ると彼女の妖精の粉を浴び「信じる心を持てば空を飛べる」ティンカーベルを思い出すのは、その愛らしい姿が僕たちの心に「僕たちが信じればこの地球もまだなんとかやり直せるのではないか」と思わせてくれるからかもしれないと思うのだ。
( 増井真也日記より )
6、木から生まれるミライ
昔から様々な場面で、私たちの身近にあった木材。住宅をはじめ、家具や玩具、食器などにも木材が使われており、私たちの暮らしを支えてきました。しかし、近年ではそれも変わりつつあります。
これからの未来はどうなってしまうのか。それは今の私たち次第なのです。輝かしい未来のために、私たちは木材に対する考えを改め、未来に向けた取り組みをするべきではないでしょうか。
サステナブルな社会へ。
それは、今私たちができる未来への贈りものなのです。
建築を考えることは未来を考えることだと、今になっては思うのです。